中国の伝説的な錬金術の開祖。
西洋錬金術が中世以後、金属変成に研究の重点を置いたのに対し、中国の錬金術は不老不死の薬をつくりだすことに専念した。
不老不死の薬は「仙丹」と呼ばれ、これをつくりだす術を、「仙丹術」と呼んでいる。
太上老君はいわゆる神仙に属する仙人としては最高位の存在で、その名前は『西遊記』の中にも出てくるので日本人にとってもなじみ深い。
太上老君は不老不死の「仙丹」をつくりだしたが人間に与えることは慎んだといわれる。
中国錬金術の達人にはほかに騶衍(すうえん)や魏伯陽(ぎはくよう)がいる。