超能力の科学。
超能力や心霊現象を研究対象とする科学の一分野。
その本格的な研究が開始されたのは、1882年にイギリスのロンドンにSPR(心霊現象研究協会)が設立されて以来だとされている。
しかしそのころの研究は「心霊現象研究会(サイキカル・リサーチ)」と呼ばれ、その内容も、おもに霊媒を対象とした死後の生存問題の研究が主流であった。
超心理学という名称は、1893年にフランスの哲学者エミール・ボワラが提唱したもの。
あるいは、ほぼ同じころにドイツの哲学・心理学者マックス・デゾイルが提案していたものだともいわれる。
一般化したのはアメリカの心理学者J・B・ライン博士らによって、1935年にデューク大学の「超心理学研究所」が設立されてからである。
そしてそれ以後、一般の人々を対象とした実験の統計的分析が研究の主流となった。
69年にはアメリカの「超心理学協会(PA)」の「アメリカ科学振興協会(AAAS)」への加盟が承認され、名実ともに超心理学が科学の一分野であることが広く認められるに至った。
最近は心理学的研究ばかりでなく物理学的側面などからの研究も増えていることもあって、カナダでは「サイロジー(サイ学、超能力学)」、旧チェコスロバキアでは「精神工学(サイコトロニクス)」、旧ソ連では「精神エネルギー学」などと呼ばれたりもしている。