人為的、あるいは自動的に暗示性が高まり、注意が一方向にのみ集中する状態を「催眠状態(ヒプノティック・ステイト)」、または「催眠性トランス」といい、これが深まると知覚や記憶などに変化を与えることもできる。
人為的にそういう状態をつくりだす方法が「催眠法(ヒプノシス)」、いわゆる「催眠術(ヒプノティズム)」である。
18世紀末のオーストラリアの医師フランツ・アントン・メスマーが創始した「動物磁気療法」がきっかけとなって発見されたものである。
メスマーの後を受けたフランスのA・H・ドュ・ピュイセギュール侯爵などの記録には催眠下でいろいろな超心理現象を現したとみられる例が多く存在する。
19世紀末の古典的超心理学では、超能力は催眠下でのみ起きるものだと思われていたため催眠法を用いた実験が多く行われていた。
遠方にいる特定の人に催眠をかけるのを「遠隔催眠」といい、1886年にフランスの心理学者ピエール・ジャネーとM・ジルベールが初めて実験を行った。
その後1960年代には、旧ソ連の心理学者レオニード・L・ワシリーエフ博士が再び遠隔催眠の研究をし、成功をおさめたと伝えられている。