高電圧・低電流の交流電源を用いることによって起こる、生物や物体からの放電現象を写した写真。
発光しているところをカメラで撮影する方法と、板状電極に印画紙を重ねて放電により直接感光させる方法とがある。
19世紀の末にアメリカの電気工学者ニコラ・テスラがすでに発見していたが、1958年に旧ソ連の科学技術者セミヨンとワレンティナのキルリアン夫妻が再発見し、それが70年代に西側諸国に紹介されて大きな注目を集めた。
というのは、キルリアン写真に写っているものが古くから霊能者たちによってその存在が主張されていたオーラによく似ていたからである。
しかし、その後の研究によって、いわゆるオーラとは別のものらしいということがわかってきた。
また、一部の研究者によると、新鮮な植物の葉の一部を切り取って撮影したキルリアン写真に、切り取られた葉のもとの形が写るといい、これを「ファントム・リーフ現象」と呼ぶ。
が、成功例とされるものは世界でも数えるほどしかない。
人間の指先などのキルリアン写真では、その人の感情などに応じて光の強さや色などが変わるともいわれるが、これも定説ではない。
今後さらに研究の待たれる分野である。
なお、この写真がキルリアン夫妻の発見ではないことがわかってからは、「高圧放電写真」とか「高周波写真」、「高電圧写真」など、別の名で呼ぶ人も少なくない。