こっくりさんのやり方
「こっくりさんとは」
こっくりさんとは、『狐狗狸』さんと言われ、文字通り狐などの低級霊を呼び出してお告げを聞くというものらしいです。」
1970年代の大流行し、こっくりさんを遊び半分でやって精神的におかしくなり、何かにとりつかれたようになってしまった方々もいて、入院している方もいるという話も聞きます。
現在でも、小学生や中学生の間で、「キューピッドさん」「キラキラさま」「エンジェルさま」「守護霊様」というように名前や遊び方が変えられて伝わっています。
いろいろ社会問題にもなったことがあるため、学校で禁止されているところもあります。
コックリさんの体験談
【用意する物】
- 白い紙
- 文字を書くペン
- 十円玉
- 紙を置き人で囲めるくらいのテーブルや台など
【こっくりさんのやり方】
- まずこっくりさんを行うためには、白い紙に、「はい」「いいえ」と書き、その間に鳥居を書く。そしてその下に数字・五十音・などを書く。
- 2〜3人程度で机を囲み、所定の位置に10円玉を置く。全員で、人差し指を10円玉の上に置き、こっくりさんを呼ぶ儀式をする。
- 「こっくりさん、こっくりさん、どうぞおいでください。もしおいでになられましたら「はい」へお進みください」と話しかけると10円玉が自動的に動き始める。
- 聞きたい事などを質問をする。と、その答えを、10円玉が動いてしめしてくれる。
- ひとつ質問が終了したら「鳥居の位置までお戻りください」とお願いして、鳥居の位置にもどす。
- いくつか質問を終え、コックリさんを終了させる。
「コックリさん、コックリさん、どうぞおもどりください」とお願いして、コックリさんが「はい」と答えた後、鳥居まで10円玉がもどってきたら、「ありがとうございました」と礼を言って終了する。
【注意点】
- 1人でやらないでください。
- ふざけ半分ではやらないでください。
- なるべく恐怖心や不安定な心理状況でややらないでください。
- 10円玉に手をおいて決して離さないでください。
- 途中で止めてはいけません。
- こっくりさんが帰ってくれなくても、帰るまでお願いをしてください。
- 文字盤はその日のうちに48つに細かく破り捨て、10円玉は三日以内に使ってください。
<ある人のコックリさんの体験談>
中学一年の時、私の学校では「コックリさん・エンジェル様」という遊びが流行った。
今から考えると、なんであんなに夢中になったのかと思うが、学校中が「コックリさん・エンジェル様」に取り憑かれてみたみたいだった。
最初は馬鹿にしていたわたしだったが、ある日、「怖いんだろう」とからかわれたので、放課後に残ってやることになった。
わたしも含めて7人の男の子と女の子が残ったが、みんながやっているからやってみようという軽い気持ちだった。
面白さ半分、怖さ半分だったことは間違いない。
まず白い紙を用意して、その真ん中に鳥居を書いた。
そして、入り口と出口を書く。
わたしたちのやり方は、五円玉ではなく、代わりにシャープペンシルを使うものだった。
「コックリさん、コックリさん、来てくれていますなら、鳥居のほうに行ってください」
こう唱えると、シャープペンシルは鳥居のほうに動いた。
もちろん、わたしたちは紙を持っている誰かが動かしているものだとばかり思っていた。
だからニヤニヤ笑いながら、お互いの顔を覗き合った。
なんだか、みんなで共犯者になったような雰囲気だった。
そのうち下校時間になった。
わたしたちはなにかが起きることを期待していたから、「なんだ、こんなものかぁ」と口々に言い合った。
そして、いよいよ最後ということで、こうコックリさんにお願いした。
「コックリさん、コックリさん、出口へどうぞ」
ところが、何回やってもコックリさんは「嫌だ」と出る。
一人の男の子がしびれを切らして、
「いたずらはやめろよ」
と大声を出した。
そのとたん、教室の後ろの扉がガタガタと鳴り始めた。
ガタガタ、ガタガタ、ガタガタガタガタ・・・・・・・・。
わたしたちはパニックに陥った。
怖くなったわたしは、コックリさんに
「帰ってください、帰ってください」
とお願いをしたが、まったく効果はなかった。
それどころか、今度は教室の前の扉までガタガタ鳴り出した。
男の子達は教室の2つの扉に飛びついて、われ先に開けようとした。
わたしたちは男の子の後ろから手もとを見守った。
引きつった表情の男の子が振り返って、悲鳴のような声を上げた。
「開かない!開かないよぉ」
その時、開いていた窓から2羽の鳥が教室に入ってきて、教台の上にとまった。
鳥はクルッ、クルッと首を捻りながら、あたりを見回している。
わたしたちは、ハッと我に帰った。
誰かが怒鳴った。
「シャーペンを捨てろ!紙も破れ!」
わたしたちはシャープペンシルを投げ捨て、慌てて紙を破った。
すると、さっきまで開かなかった扉がスーッと音もなく開いた。
わたしたちはわけのわからない声を上げながら、教室の外に飛び出した。
<ピシッ、ピシッ>
廊下の窓ガラスが嫌な音を立てて割れた。
みんなは真っ青な顔で廊下を走った。
だれも後ろを振り返らなかった。
男の子も女の子も意味のないわめき声を上げ、力のかぎり走った。
校舎から外に出て、少し落ち着いたわたしたちは、顔を見合わせながら校舎の中の気配をうかがった。
<カツーン、カツーン>
誰かが歩き回る足音が聞こえてきた。
わたしたちは一目散に逃げ出していた。
翌日、「コックリさん・エンジェル様」は禁止された。
だが、24歳になった今でも、あの体験は忘れられない。